「子どもの頃の『平和学習』が苦手だった」――。沖縄県宜野湾市の狩俣日姫(につき)さん(26)は、そう語ります。いまは沖縄で修学旅行生に基地や戦跡を案内し「平和教育ファシリテーター」として活動する狩俣さんに、「子どもが戦争を知ること」について聞きました。
印象に残るのは「悲惨な部分」
――なぜ「苦手」だったのですか。
「平和学習」といえば、沖縄戦の体験者の話を聞くのが中心でした。
どこからどこまで逃げたという地名を聞いても、位置や距離感がよくわからない。どれくらい大変なことのか、子どものときはあまり理解できませんでした。
艦砲射撃といった言葉や、部隊の名前もわからない。
そうした前提条件がわからないまま、個人のエピソードとして体験を聞いて印象に残ることといえば、「目の前で人が亡くなった」「重いけがを負った」という悲惨な部分なんです。怖くて、正直、苦手でした。
もちろん、体験や証言を聞くのはとても貴重で大切なことだと思っていました。
ですが、個人の体験に焦点が当たること以外の学び方を知らなかったので、自分が理解できていないことすら気づかなかった。
「子どもの頃の私と同じ」
気づいたのは、大人になって…