佐久間邦彦さん(広島県原爆被害者団体協議会理事長)

 広島市(松井一実市長)の職員研修の資料で、教育勅語の一部が使われていることが明らかになった。人々を戦争に駆り立てた教育勅語が広島で「復活」していることについて被爆者は怒っている。広島県原爆被害者団体協議会理事長の佐久間邦彦さんに聞いた。

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 「国際平和文化都市」を掲げる広島市で職員研修に教育勅語が使われたことに大変、衝撃を受けました。私たち被爆者団体は、松井一実市長に強く抗議しました。

 教育勅語は、親孝行や兄弟、夫婦仲良く、などと述べますが、明治天皇が、当時「臣民」と呼んだ国民に向けたものです。そもそも天皇が家庭のことに介入するのはおかしい。それぞれの家族で判断すればいいことです。

 戦後、国会で教育勅語の排除や失効が決議されたのは当然のことです。主権在民の日本国憲法の精神と相いれないのですから。松井市長はそんな古証文を引っ張り出してきたのです。

■教育勅語で侵略戦争に動員…

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