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トレーニングに励む国府台の佐野魁星選手=2025年7月2日午後5時33分、千葉県市川市、武田百花撮影
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 7月上旬、夏の大会を目前に、国府台(千葉県市川市)の佐野魁星(かいせい)選手(3年)は、懸垂やバーベル上げなどのトレーニングに歯を食いしばっていた。

 高い人気を誇る高校野球では、幼少期から野球一筋という選手も多い。だがそうではない選手ももちろんいる。佐野選手もその一人だ。

 小2の夏休み。両親と訪れたプロ野球観戦で、千葉ロッテマリーンズのデスパイネ選手(当時)が鮮やかなホームランを放った。この記憶は、高3になった今でも色あせない。「いつか自分もスタンドに放りこんでみたい」。ロッテのユニホームを買ってもらい、毎週末は父と公園で野球をする日々が始まった。小4で少年野球チームにも入ったが、中学受験のために野球から離れた。

 中学では、周りの野球部員に合わせて丸刈りにする勇気が出ず、経験ゼロの卓球部に入った。1年の初め、部内ランキング戦で最下位になり、闘争心に火がついた。卓球に向き合い続け、「こんなに努力をしたことがないというほど努力した」。3年の最後の大会では、習志野市の大会で準優勝を果たし、県大会に出場した。

初心者として再スタート

 ただ、野球への熱は消えず…

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