2025年大阪・関西万博の会期中に、会場の隣で進む統合型リゾート(IR)の工事をめぐる問題で、博覧会国際事務局(BIE)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長は、9月中に万博に悪影響を与えないことを確認したいとの意向を示している。8月30日に行った朝日新聞のインタビューでの主なやりとりは以下の通り。
――6月の来日時に、大阪府の吉村洋文知事からIR工事について聞かされたそうですね。
「25年4月に工事を始めると聞き、驚きました。『なにを言うの?』という思いでした。IR計画は知っていました。万博の前にそれができてほしいな、と望んでいた。そうすれば万博の際に、IRのホテルを使うこともできますから」
「残念ながらそうはなりませんでしたが、それは問題ではありません。しかしなぜ建設開始が25年4月なのか、と。バンバン音がするところで万博を開幕するとなったら、人々はどう思うでしょうか」
――騒音のレベルなどの説明も受けましたか?
「吉村知事は『騒音はありません』と言いましたが、私の知る限り、建設作業には騒音がつきものです。ほこりや物流の心配もしています。夢洲に行くにはトンネルか橋を通るしかありません。万博に加えてIR建設となれば、非常に混むでしょう。だからすぐOKとは言わず、『私たちはこの問題に取り組む必要がある』と申し上げました」
――大阪府市は、すでにIR…