【動画】再審無罪が確定し、会見する前川彰司さん＝伊藤進之介撮影
福井市で1986年に女子中学生を殺害したとして、懲役7年の有罪判決を言い渡されてから30年。服役を終えてから22年。前川彰司さん（60）の再審無罪が1日、確定した。
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検察側が上訴権放棄を発表した2時間後の午後4時。福井市内で弁護団と記者会見に臨んだ前川さんは、落ち着いた表情で「よかったです。多くの犠牲を払ったが、悲願が果たせた。自分を証明できた」と語った。
97年に金沢刑務所（石川）に入り、心を病んで岡崎医療刑務所（愛知）に移った。2003年の出所後も精神科病院への入退院を繰り返した。
04年の最初の請求から20年を経て、2度目の再審請求でようやく開いた再審の扉。7月18日に無罪とする判決を言い渡された後は、夜ごと自宅の窓際で願った。「検察は上告を断念してほしい。事実と道理に基づくなら、断念するべきや。大丈夫や」と自分を励ましてきた。
無罪確定は、そんな日々の先にあった。この日も、暮らしを見守る相談員が自宅を訪れているときに、確定の一報を受けたという。
一審の序盤から37年半、前川さんの弁護にあたってきた吉村悟弁護団長は「遅きに失したけれど、ようやく無罪が確定した」と穏やかに述べ、「ほっとしている。これで終わったな」と前川さんに語りかけた。
だが捜査機関は再び、前川さんたちを失望させた。
再審判決は、警察や検察の捜…
