練習する橋本大輝さん(前方中央)と輪島高洲太鼓のメンバーたち=2024年5月21日、石川県輪島市、稲垣大志郎撮影
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いま子どもたちは 能登で一歩ずつ(3)

 「震災後は、みんな『生きとったんか』みたいなあいさつになりましたね」

 石川県立門前高校3年の橋本大輝さん(17)は、通信環境も厳しい中、友人と連絡が取れて無事を確かめ合えたときの状況をこう振り返る。自身も、元日の大きな揺れの後、「あー、終わったな」と、絶望感に襲われるほど怖い体験をした。

  • いま子どもたちは 能登で一歩ずつ の初回はこちら

大きな被害が出た1月の能登半島地震。被災した石川県立門前高校の生徒たちを訪ねました。4回シリーズです。

 家族とともに車で避難したときに見た海の光景は、いまも鮮明によみがえる。普段は海水で満たされているところに岩場が見えた。「津波が来る前は水が引き出すから、それを見たら絶対に逃げろ」。そう言われてきた。「みんなパニックっすね。しゃべらなくて、放心状態ってやつです」

 避難しようと進む先々の道路…

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