経営コンサルタントの小宮一慶さん

 個人投資家の参入で裾野が拡大する株式市場。8月、東京市場の株価が大幅に下落した。その後、持ち直しつつあるが、激しい値動きに不安を募らせた人も少なくなかっただろう。投資を促す制度が整備される中、個人はどのように考えて行動すればいいのか。経営コンサルタントの小宮一慶さんに聞いた。

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 政府が進めてきた「貯蓄から投資へ」の動きは、財政や金融政策の無策の部分を、国民に押しつけているように見えます。投資をして稼ぎなさい、と。

 老後に年金だけでは2千万円足りなくなると言い、2千万円ためるには運用しないといけないと投資を促しました。日本は財政赤字の問題もあり、金利を上げられない。インフレ率が2%を超えているのに、普通預金の金利は年0・1%。そうすると、放っておいたらお金が目減りしていきます。普通預金でも、3カ月もの定期でも金利が年率2%付いていたら、リスクのある投資をしなくて済む。無理に「貯蓄から投資」などする必要はなくなるんです。

 新NISA(少額投資非課税…

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