(12日、第106回全国高校野球選手権大会2回戦 北陸1―7関東第一)
複数投手を擁し、機動力で勝負を仕掛ける。共通点の多い両校の対戦は、関東第一の圧勝だった。
先取点を奪われた関東第一の米沢貴光監督は形勢逆転の機をうかがっていた。1点を追う三回無死一塁。先発投手の9番畠中鉄心がバントしたゴロを、三塁手が悪送球。北陸は福井大会も含めて初の失策を記録した。
ここで動く。無死一、二塁となり、畠中に代走藤田大輔を送った。先発左腕を交代させて「流れを変える」と攻撃陣を鼓舞し、相手へ重圧をかけた。「あそこが勝負どころ」と米沢監督。暴投で同点に追いつき、左翼への浅い犠飛で藤田が勝ち越しの本塁を踏んだ。
勝負どころの代走起用が多い藤田は「捕球の体勢が悪かったので迷わず行きました。最初から何としても生還する気持ちだった」。
その後は犠打などで得点圏に走者を進め、主導権を渡さない。序盤の攻防を制したことが、大差となった。(福角元伸)