「撮り鉄」の迷惑行為が問題となるなか、相模鉄道とソフトウェア大手のアドビは24日、撮影後の鉄道写真を生成AIを使って加工するワークショップを開いた。参加者は、画像編集で人や物を「消す」作業を体験し、無理せずに望むような写真が撮れることを学んだ。
参加者は、星川駅(横浜市保土ケ谷区)の構内や、かしわ台駅(海老名市)近くの車両センターで実際の車両を撮影した。その後、写真から不要な人や物を取り除き、生成AIで自然に見える背景に加工するアドビ社の「アドビエクスプレス」を使って、編集作業を体験した。
車両や風景を撮るのが趣味という中学3年の男子生徒(14)は「電線や手がさくさくと消えてよかった。(修正後の)写真も自然です」と喜んでいた。
星川駅から、かしわ台駅には臨時回送列車で移動した。その際、写真撮影スポットの紹介のほか、車内アナウンスの体験会もあり、母親と参加した吉田美知花さん(6)は「ちょっと難しかったけど、話せてうれしい」と喜んでいた。
相鉄によると、一般的には撮影のために線路沿いの樹木を切ったり、看板を移動させたり、ホーム内で黄色の線を越えてホームドアに近づいたりといった迷惑行為があるという。
アドビ社の広報担当の吉原淳さんは「障害物を除いて撮ろうと、危険な場所に入ることもあるが、生成AIで安全に安心に楽しく撮ることができる。これもありかな、と思っていただければ」と話した。(増田勇介)