ペルーのリマで1997年4月23日、軍による突入作戦により126日に及んだ日本大使公邸占拠事件を終わらせたアルベルト・フジモリ大統領(当時)=ロイター

 南米ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領が11日、死去した。家族がX(旧ツイッター)で明らかにした。86歳だった。

 支持者には「救世主」として愛され、反対する者からは「独裁者」として徹底的に憎まれた。フジモリ氏は、その後のペルー政治を決定づけた政治家だった。

 両親が熊本出身の日系2世だ。数学の大学教授から政界に転じ、1990年に日系人で初めての大統領となった。

 当時のペルーは年率7千%を超えるハイパーインフレと左翼ゲリラによるテロに直面していた。フジモリ氏は、問題を解決できない既存政党を批判し、変革を訴える「アウトサイダー」として登場した。勤勉さやテクノロジーといった自らのルーツである日本や日系人のイメージを掲げ、急速に支持を広げた。

 農村や山岳部を支配するゲリ…

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