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 聖徳太子をモデルに古代の人間ドラマを描いたマンガ「日出処(ひいづるところ)の天子」(原作・山岸凉子)が、能狂言で舞台化される。狂言師の野村萬斎が演出を手がけ、主人公の厩戸王子(うまやどのおうじ)(聖徳太子)をみずから演じる。萬斎は「皆さんの厩戸像を壊さずに演じきることが最大の難所。ご期待に応えられればと思います」と語る。

写真・図版
「-能 狂言- 『日出処の天子』」の製作発表に臨んだ(左から)大槻裕一、野村萬斎、大槻文蔵、山岸凉子

 「日出処の天子」は、1980~84年に連載された山岸の代表作。美しくも冷たい厩戸による政治的策謀や、大豪族の後継者である蘇我毛人(そがのえみし)との運命的な出会いを描く。

 なかでも、厩戸が超常的な力で目に見えない存在と交感する場面は話題を呼んだ。萬斎は「能狂言は、あの世とこの世をつなぐ舞台でもある。アドバンテージは大いにあるのではないか」と相性のよさをアピールした。

記事後半ではマンガの作者・山岸凉子さんのインタビューも。

 2022年に初演した「鬼滅…

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