(14日、第107回全国高校野球選手権大会2回戦 仙台育英6―2開星)
一回表に1点を先行されたその裏。仙台育英の1番打者、田山纏選手(2年)はサード強襲の内野安打を放ち、反撃の口火を切った。
相手投手の投じたボールを見送り、ファウルからの3球目だった。「初球から、どんどん行こうと決めていた」
思い切りの良さが武器の「切り込み隊長」だ。鳥取城北戦でも初打席で左翼への二塁打。「絶対に自分が出塁する」と試合前から気持ちを高め、1打席目に最高の状態に持って行く。入念な準備がこの日も生きた。
ウェートトレーニングに加え、夜に寮のご飯のほかに5合の米と鶏胸肉を食べるというノルマを課し、昨夏から12キロ体重を増やして身体面を強化した。
しかし、春に右足の肉離れで約1カ月離脱。上半身の筋トレや足に負担のないトレーニングに地道に取り組んだ。2年生ながら「春に迷惑かけた分、最後の夏だというぐらいの強い気持ちで挽回(ばんかい)しよう」と努力を続けた。
帽子のつばには「逢」の文字。初戦の後、自らペンで書いた。「色んな人と出会えているから、ここで野球が出来ている」。周りへの感謝を胸に、次戦も1打席目で出塁を狙う。