少子化対策の財源として、医療保険とあわせて徴収する「子ども・子育て支援金」について、制度・規制改革学会(代表理事=八代尚宏・昭和女子大特命教授)は5日、制度の撤回を求める緊急声明を公表した。「根本的な欠陥がある」として、制度設計の見直しを求めている。
声明では、医療保険は「疾病のリスクに備える社会保険」だとして、「少子化対策への流用は、その本来の目的から外れる」と指摘。「取りやすいところから取る」ための制度だと批判した。さらに、医療保険財政は納付金負担などがすでに重いとして、新たな支援金は「医療保険財政を一段と圧迫する」とした。
そのうえで、政府に「提案を撤回し、財源のあり方について改めて議論し、制度設計を改めるべきである」と求めた。(松浦新)