森章・東大先端研教授=森章さん提供

 続発した大規模山林火災は何かを「警告」しているのでしょうか。森林に携わる多くの人たちの声を聞き、論文にまとめたこともある東京大学先端科学技術研究センターの森章教授は、戦後の森林政策のあり方を考え直すときに来ていると指摘します。

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 今回の一連の大規模森林火災は温暖化の影響が大きいと安直には言えません。海外では温暖化が強度のかんばつを引き起こしている地域は多いが、日本には当てはまりません。今年はたまたま乾燥と強風が重なって起きたのであり、このような条件が毎年続くとは考えにくい。

 むしろ今回の火災は、森林管理の問題を警告しています。日本は戦後、木材生産のために過剰に自然林をスギやヒノキの林に変えてしまいました。荒れて切り出せない状態になっている所が多く、林業従事者も減り高齢化しています。管理が不十分で枝や落ち葉が累積している所に人為的な火がつき、風で広がるということは今後もありえます。

 焼け跡を放置していても長期…

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