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米ジョージア州議会議事堂の一室で開かれた、州選挙管理委員会の会議=2024年9月20日、アトランタ、中井大助撮影

 米大統領選では、民主主義が定着した国の選挙では通常あまり注目されない要素がきわめて重要になる。自治体が進める開票や集計の作業だ。前回選挙で、共和党のトランプ前大統領が根拠なく「不正」を主張。トランプ氏の支持者を中心に、集計の「正確性」を高めるため州の規則を改める動きが出ている。だが、かえって混乱につながる懸念があり、それこそが狙いだと見る人もいる。

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 9月20日、ジョージア州アトランタの州議会議事堂で、州選挙管理委員会の会合があった。午前8時前から傍聴を求める大勢の人が集まり、入りきれなかった聴衆向けの部屋も二つ、設けられた。

 選管はこの日、すべての投票所で手作業により投票用紙の枚数を確認する、という規則を決めた。機械集計も従来通り行うため、作業は増える。ラフェンスパーガー州務長官が「選挙当日に結果が分からない可能性が高くなる」と懸念を示した。この日の会合でも、郡や市町村の選挙担当者からは「混乱につながる」との声が相次いだが、5人の選管委員のうち3人が規則変更に賛同した。

 選管は本来、無党派の組織だ…

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