あごが疲れる、でもうまい――。年間50万食を売り上げる人気駅弁「鶏めし」で知られる花善（秋田県大館市）が、親鳥の肉を使った駅弁「とても硬い親鳥の鶏めし」を期間限定で新発売する。
JR大館駅前に店を構える花善は、創業100年超の老舗。鶏めしはインターネット投票で全国の駅弁ナンバー1を決める「駅弁味の陣」（JR東日本主催）で、過去3度の最高賞「駅弁大将軍」を受賞するなど看板商品だ。親鳥の鶏めしは、10月から始まる今年の駅弁味の陣にも出品し、連覇を狙っている。
弁当の主役の鶏肉の甘辛煮は通常、若鳥のモモ肉を使うが、今回は親鳥のモモ肉やムネ肉で調理した。
親鳥の肉は、若鳥にはないうまみやコクがあり、山形名物の肉そばにトッピングされている。秋田でも郷土料理「きりたんぽ」のだしなどに欠かせない食材だが、食べる習慣はほとんどないという。
最大の特徴は、部位によってはかみ切れないほど硬いこともあるという食感。弁当の掛け紙には「ゴリゴリに硬い親鳥肉！」と強調した。
花善の八木橋秀一社長は「（花善の）弁当の食材として扱うのはおそらく初めてだと思うが、かめばかむほど鳥のうまみが感じられて味わい深い」と絶賛しつつ、「食べやすいように小さくカットしてあるが、歯の悪い方はなるべく食べるのを控えて」とも。
弁当は1個千円（税込み）。10月1日から年内いっぱいまで、大館駅や秋田駅、青森駅、盛岡駅などのJR各駅の売店のほか、秋田県内の一部のスーパーなどで販売する。（滝沢隆史）
