コロナ禍から政府の情報公開の必要性を訴えてきた張海さん。1年前の深圳の男児殺害事件では現場に献花に訪れた=2025年9月、広東省深圳市、小早川遥平撮影

 中国広東省で深圳日本人学校の男児(当時10)が登校中に男に刺殺された事件から18日で1年になる。この日は満州事変の発端となった柳条湖事件の記念日にあたり、反日感情が高まるとされるが、学校には事件直後、中国各地から多くの匿名の献花が届けられた。中国の人々はいま、事件をどう受け止めているのか。献花した一人の男性が思いを語った。

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 「歴史は忘れてはいけない。だが、男がしたことは犯罪行為だ。私は中国人として非難する」

 男児の死亡が伝えられた1年前、日本の報道陣がいた現場に一輪の白い花を手向けてそう語り、名前を明かさずに去った男性がいた。

 男性は、深圳在住の張海さん(55)。今月、朝日新聞記者の取材に改めて応じた。

「日本人学校の悲劇から目を背けるのは…」

 張さんは新型コロナの流行初…

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