第66回北陸吹奏楽コンクール(北陸吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)の最終日が11日、金沢市の金沢歌劇座であった。北陸3県から高校A部門(55人以内)に13校、高校B部門(30人以内)に10校が出場した。
高校Aからは富山商、金沢学院大付が、高校Bからは新湊(富山)、三国(福井)、福井商が北陸代表に選ばれた。高校Aの代表校は10月19日に宇都宮市で開かれる第73回全日本吹奏楽コンクールに、高校Bの代表校は10月12日に山形市で開かれる第25回東日本学校吹奏楽大会に出場する。
11日の結果は次の通り。(演奏順、◎は北陸代表)
高校A
【金賞】小松明峰(石川)、北陸(福井)、◎富山商、富山工、小松市立(石川)、高岡商(富山)、金沢桜丘、◎金沢学院大付、福井工大福井
【銀賞】遊学館(石川)、武生商工(福井)、羽水(福井)、砺波(富山)
高校B
【金賞】敦賀(福井)、◎新湊(富山)、◎三国(福井)、◎福井商、富山南
【銀賞】富山北部、小杉(富山)、日本航空石川
【銅賞】大聖寺(石川)、七尾(石川)
高校A演奏レビュー
北陸吹奏楽コンクール高校Aの部は、磨き上げた音楽の美しさだけでなく、舞台の楽器配置やパフォーマンスでも観客を楽しませる演奏があった。
小松明峰(石川)は、課題曲のマーチをバランスの取れたまとまりのあるサウンドで演奏。黛敏郎「管弦楽のための饗宴」では、残響まで神経を研ぎ澄ませた音や速い動きのパッセージを複雑に絡み合わせることで、黛作品独特の空気をつくっていた。宴の喧噪から突如、奈落に落ちていくような場面の変化を鮮やかに見せる演奏で、金賞に輝いた。
同じく金賞の北陸(福井)は課題曲Ⅳの静かな冒頭部分から、美しいハーモニー。ケネディ米大統領の暗殺事件を描いた「Crossfire November22」では穏やかな朝の情景などを、まろやかな音色で温かく、時に切々とうたい上げた。
ソロを吹いた部長でフルートの塩村晏生(あい)さん(3年)は「みんな大好きな曲で、誰かが歌い出すと歌声が重なり、合唱になることもあった。情景を思い浮かべながら吹いていると、泣きそうになりました」と振り返った。
富山商は金賞を受け、3年連続の北陸代表に選ばれた。
シンフォニックな響きのサウ…