こども家庭庁が4月に公表した、宗教を背景とした親から子への「宗教虐待」をめぐる実態調査を受け、キリスト教系新宗教「エホバの証人」の元2世信者らで構成される3団体が16日、こども政策担当相らに要望書を提出した。専用の相談窓口や支援機関の整備、宗教虐待を受けた子の回復に向けた支援策の検討のほか、子どもの福祉を害する宗教団体への対応を可能とする法律や体制整備の検討などを求めた。
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提出したのは一般社団法人「スノードロップ」、「宗教2世問題ネットワーク」、「JW児童虐待被害アーカイブ」。
同庁の調査では、全国の児童相談所の2割弱が、信仰に起因すると思われる虐待事例が「あった」と回答。医療機関からも「医師が必要と判断した輸血を行わせない」「子の骨髄移植を拒否し、みとりとなった」などの事例が報告された。
要望書提出後の会見で、「JW児童虐待被害アーカイブ」の綿和孝代表は「国が主導する調査は初めてで意義がある」と評価したうえで「これから何をするかが重要」とし、同庁の調査で宗教2世への聞き取り数が少なかったことを挙げ、より大規模な当事者への実態把握も求めた。(島崎周、大貫聡子)