低い石垣から姿をのぞかせる赤やピンク、黄色の花木。4月中旬、JR浪江駅(福島県浪江町)の西側道路を車で少し走ると、そんな景色が目に飛び込んできた。
どうやら日本庭園らしい。中に足を踏み入れると、まるで別世界のよう。広々とした池と優雅に泳ぐコイ、周囲に配された松、そしてちょうど見頃を迎えたボケやハナモモ、レンギョウが彩りを添える。
震災前、この地で結婚式場を営んでいた三浦一男さん(77)が整備した。5千平方メートルの敷地に約30種の草木300本以上を植え、年中無料で開放する。
「これからはアヤメ、サルスベリがきれい。秋は紅葉、冬はツバキやサザンカ。春夏秋冬の移ろいを楽しめる」。庭の全景を見渡せる園内の高台に立ち、三浦さんは目を細めた。
もともと庭の知識はゼロ。原…