微生物の痕跡を示唆する物質を発見した火星探査車「パーサビアランス」©NASA

 米航空宇宙局(NASA)は、火星で見つかった泥岩の一部から、微生物の痕跡を示唆するリン酸鉄などとみられる物質が見つかったと発表した。

 火星の科学探査に詳しい東京科学大の関根康人教授は「ものすごく驚いた。火星探査の50年の歴史の中で、最も生命の痕跡に肉薄した成果だ」と話す。

 論文や発表内容によると、泥岩の表面には赤褐色に黒っぽいヒョウ柄模様の斑点があった。分析からこの部分にはリン酸鉄や鉄硫化物の一種を豊富に含んでいると判断した。

 研究チームは、発見された物質が微生物による化学反応によって生じた可能性も示していて、今後はどのようなプロセスで物質がつくられたのか明らかにする必要もある。

火星探査車「パーサビアランス」が分析した泥岩の表面。中央に写る赤褐色の泥岩の層に黒みを帯びたヒョウ柄模様が確認できる。その付近にリン酸鉄などが含まれているとみられる=NASA提供

 ただ、関根さんは「(生物による作用が介在しない)化学反応によって生じた場合でも、生命の起源の謎に迫る重要な発見だ」と説明する。

 発見された物質に含まれてい…

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