いわき信組の架空融資について振り返る元職員=2025年4月、福島県いわき市、金居達朗撮影(画像にぼかしを入れています)

 預金者の名義を無断で使って口座を作り、そこへの融資を装い資金を流出させる。いわき信用組合(福島県)で極めて異例な不正の疑いが浮上した。

 いわき信組の元職員2人が取材に、架空融資に関わった経緯を語った。

 証言によると、2011年のある日、元職員の男性がいた支店に、運転手付きの車で本店の幹部が来た。本店幹部は支店長と応接室に入った。

  • 顧客名義の口座を無断で偽造、架空融資 不良債権隠しか いわき信組
  • 預金者、知らぬ間に「借金」 死亡後なのに借り入れも 信組架空融資

 しばらくすると、支店長から「ちょっと」と呼ばれた。男性は当時、融資担当。本店幹部の向かい側に座らされ、支店長は退席した。向かい合う本店幹部の口から出たのは、預金者に無断で行う融資の指示だったという。

記事の後半に、取材に応じた元職員の男性の動画があります。

「何も言わずやって欲しい」

 本店幹部は融資の仕組みを説…

共有
Exit mobile version