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「矜羯羅童子・制タ(口へんに託の言べんがないもの)迦童子坐像」(四天王寺蔵)。右の矜羯羅童子は真顔、左の制タ(口へんに託の言べんがないもの)迦童子は口をへの字に曲げる=2024年11月4日午後4時43分、京都市下京区、福野聡子撮影
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 仏や菩薩(ぼさつ)などのそばに控え、仏法を守護したり、信仰する人に利益を与えたりする「眷属(けんぞく)」。さまざまなルーツを持つ、個性豊かな姿を紹介する特別展「眷属」(朝日新聞社など主催)が京都市下京区の龍谷ミュージアムで開かれている。

 会場で最初に出迎えるのは、愛らしいけれど、よく見ると表情が対照的な2人の子どもの像。不動明王に仕える「矜羯羅(こんがら)童子・制(せい)タ(口へんに託の言べんがないもの)(た)迦(か)童子坐像(ざぞう)」(四天王寺蔵)だ。

 ほかにも、元は鬼女で普賢菩薩とともに法華経信者を守る「十羅刹女(らせつにょ)」、薬師如来を守る「十二神将」などインド由来の神々の像、日本古来の神と習合したとされる蛇頭の弁才天とその眷属を表した絵や彫像、神狐像など約80点が並ぶ。

 4日の記念講演会では、大正大学文学部専任講師の大島幸代さんが眷属の有りようを解説した。眷属は時代や場所などにより自在に姿や顔ぶれを変えてきた。

 十羅刹女は唐装だけでなく十二単(じゅうにひとえ)のような和装で表現された例もある。毘沙門天の眷属は日本では童子が加わるが、古代中国の敦煌では獅子や虎の皮をかぶる鬼神が加わるという。

 最後に、経典に記された眷属の多くは文字だけの存在で、絵や彫刻で表された眷属も名前のないものが多いことも紹介。大島さんは「仏教信仰が続く限り、新たな眷属が登場し、逆に消えていく眷属もある。有名な眷属は2千年以上の淘汰(とうた)の歴史をたえ抜いてきた存在」と話した。

 24日まで。月曜休館。一般1600円など。問い合わせは同ミュージアム(075・351・2500)。(福野聡子)

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