石破茂首相の進退をめぐり、自民党内で動揺が広がっている。党勢低迷の引責論に基づく「石破おろし」が山場のなか、内閣支持率が上昇に転じ、首相の辞任を求める声も広がりを欠くからだ。溝が深まる党の論理と世論。党内からは、ぬぐい切れない自民への嫌悪感が原因との見方が出始めている。
- 首相「辞める必要ない」54%、「辞めるべきだ」36% 朝日世論
18日午後、国会内。取材に応じた四国地方選出のある自民衆院議員は首をかしげた。「地元では『石破さんは責任をとらないのか』というお叱りばかりなんだが……」
自民では現在、参院選の大敗を受け、首相に辞任を求める「石破おろし」が続いている。世論の審判たる国政選挙での敗北は総裁を兼ねる首相が責任を負うべきだとの理屈で、小林鷹之元経済安全保障相は15日収録のユーチューブ番組で「誰かが責任を取らないと禍根を残す」と警鐘を鳴らした。
だが、世論ではそうした主張への共感が広まっていない。朝日新聞の8月の世論調査で、内閣支持率は7月の29%から36%へと上昇。首相が辞任するべきかどうかも「必要はない」が54%を占めた。
こうした党の論理と世論の差異に「『自民支持層』と『自民党員』はまったく母集団が違う」(参院議員)と強がる向きもある。ただ、一部から聞こえ始めているのは、自民へのぬぐい切れない嫌悪感が影響しているとの見方だ。
「国民生活が苦しいのに、『…