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三重県の学生奨学金返還支援事業の基金への寄付について語る稲垣正さん=2025年1月9日午後1時37分、大阪市北区、鈴木裕撮影

 若者に利子付きの借金を負担させる「奨学金」って、おかしいのではないか。こんな思いから、津市出身で化粧品通販会社を経営する稲垣正さん(60)=大阪市=は、「三重県地域と若者の未来を拓(ひら)く学生奨学金返還支援事業」=キーマーク=の基金に寄付を続けてきた。ふるさとで働く若者を応援する稲垣さんの願いとは。

 ――高校や大学、専門学校で学ぶために利用した奨学金の返済が社会問題となっています。

 社会人のスタートを切る時から若い人たちが、300万円、400万円の利子付きの借金を背負う。これでは、次世代を担う人たちは元気を無くしてしまう。将来への不安から気持ちが後ろ向きになって、結婚する気持ちを失い、子どもを育てるのは難しいと考えるようになるのも無理はありません。

 身近にも奨学金の返済に苦しんでいる若者がいます。その姿を目の当たりにして、私にできることはないかと考えていた時に、三重県の奨学金返還支援事業のことを知りました。これまで基金に経営する企業名義で300万円寄付(稲垣さんが経営する化粧品OEM〈受託生産〉「blu owl」名義)し、今後も(同じく化粧品通販「Mytreya」名義で)寄付を続けていきます。

 ――奨学金より「学生ローン…

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