フジ・メディア・ホールディングス訪問後、報道陣の取材に応じた大株主ダルトン・インベストメンツの最高投資責任者ジェームズ・ローゼンワルド氏=2025年5月21日午後、東京・台場のフジテレビ本社前、黒田健朗撮影

連載「フジ総会前夜」①

 フジテレビの親会社「フジ・メディア・ホールディングス」の株主総会が25日に開かれます。大株主とフジの対決色が強まる中、主要プレーヤーたちは何を思いどう動くのか、3回の連載でお届けします。

 昨年12月29日、クリスマス休暇中の米国ロサンゼルス。ここに本拠を置く投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」の共同創業者、ジェームズ・ローゼンワルド(67)に、1通のメールが届いた。

 相手は、長い付き合いのある日本人女性だった。「ジェイミー」と呼びかけ、こう訴えた。

 「もし本当なら、女性に対するこのような行動は許されない。会社に事実関係を確認させるべきです」

 元タレントの中居正広による「性的トラブル」を報じる週刊文春のオンライン記事が出た数日後だった。

 このメールからおよそ2週間後の今年1月14日、ダルトンは7%の株式を持つフジ・メディア・ホールディングス(FMH)に対し、「憤りを禁じ得ない」と書いた書簡を送り、第三者委員会の設置を求めた。こうして、数カ月におよぶ攻防戦の口火を切った。

 ローゼンワルドは何を狙っていたのか。

14歳のときにキリンと東京銀行に投資

 米ニューヨーク出身で、大フ…

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