パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエルのネタニヤフ政権が8日、最大都市ガザ市を制圧する方針を決めた。ネタニヤフ首相はガザ全域の支配も視野に入れているとみられ、すでに2年近くにわたる戦闘で疲弊し、飢餓などの人道危機に直面する市民らからは悲痛の声が上がった。
ガザ市西部で4人の子どもと暮らすスヘル・シャーケルさん(54)は8日、朝日新聞の電話取材に対し、「これまで7回も避難を繰り返してきた。これから、どこに行けばいいのか」と話した。
イスラエル軍は3月からの軍事作戦でガザ各地の制圧を進め、国連人道問題調整事務所の8月6日の発表によると、ガザの領域の約86%が立ち入り禁止や避難命令区域となっている。200万人以上の住民は北部のガザ市周辺と、ガザの中部から南部にかけての沿岸地域に集中している。
住民「狭い場所に押し込められれば、最悪の人道危機に」
イスラエル軍のガザ市制圧に…