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 未成年のトランスジェンダーに対するホルモン投与などの「ジェンダー肯定ケア」をめぐり、米連邦最高裁は18日、州による規制が認められると判断した。だが、命を救う手段とも見られてきただけに、当事者らからは「危険だ」と憂慮する声があがる。

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ケアを受けた子の母が語る

 「もしジェンダー肯定ケアを受けることができなければ、私の子は命を絶っていたと思う」

 米ワシントン州シアトル近郊に住むタイラー・クローンさん(52)は言う。男性として生まれ今は女性として生きる娘のルナさん(19)が、11歳からケアを受けた。

 ルナさんは、幼少期からビーズ遊びやリボンに関心を示し、「かわいい服」をいつも着たがった。「オズの魔法使い」の主人公の女の子、ドロシーも大好き。3歳の頃にはよく「女の子になりたい」と口にしていた。

 元々寛容的な育児方針を持つタイラーさんではあったが「どうしたらいいのかわからなかった」という。

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タイラー・クローンさん(右)とルナさん(左)=タイラーさん提供

 女の子になりたいという訴えは、小学校に入っても変わらず、むしろ強くなった。おなかを下しやすい病気にかかっても男子トイレに行きたがらず、精神的に不安定になるなどした。

熟慮と相談の末…変化

 シアトルは歴史的に性的少数…

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