中国国営中央テレビは10日、「中国での米国映画の輸入本数を減らす」とする国家映画局の報道官の話を伝えた。トランプ米政権による対中追加関税を受け、「観客の米国映画への好感度が低下する」ためとしている。関税措置への報復の一環とみられる。
同テレビによると、報道官は記者の質問に答える形で、「米国が中国に追加関税措置を乱発するという謝った行動をとったことで、観客の米国映画への好感度はさらに下がるだろう」と指摘。「観客の選択を尊重して米国映画の輸入本数を適度に減らしていく」とした。
また、「中国は世界第2位の映画市場で、市場の需要に応えるためより多くの国の優れた映画を導入する」と、他国の映画を増やすことも示唆した。
中国メディアによると、2024年には93本の外国映画が上映され、興行収入上位10位のうち八つが米国映画だった。中国では政治的、文化的に問題がないか当局が映画の内容を審査し、承認されたものだけが上映を許される。