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 終戦時の首相だった鈴木貫太郎(1868~1948)の孫、鈴木道子氏(93)による講演会「祖父・鈴木貫太郎 孫娘が見た終戦首相の素顔」が8月30日、元首相ゆかりの千葉県野田市の市文化会館で開かれる。入場券が7月8日から同会館などで配布される。無料で市外の人も参加できる。

 元首相は、父親が同市旧関宿町一帯を治めた関宿藩の藩士。藩の飛び地だった現在の大阪・堺で生まれ、旧関宿町で幼少期を過ごした。海軍に入り、連合艦隊司令長官や軍令部長を歴任。1945年4月に首相に就任、終戦を迎えて辞任した。終戦後は関宿に戻って生涯を終えた。

 道子氏は、東京生まれの音楽評論家。元首相の長男で、元首相秘書官を務めた一(はじめ)氏の長女にあたる。2024年に手記「祖父・鈴木貫太郎 孫娘が見た、終戦首相の素顔」(朝日新聞出版)を出版した。

 講演会は、昭和100年、戦後80年の節目にあたる今年、元首相の功績と人物像を知って欲しいと、市が市制施行75周年記念事業として開催する。

 鈴木有市長は、世界情勢を見ると、今の日本も戦争に巻き込まれる可能性があると危惧する。講演会について「今の日本では当たり前になっている平和が、激動の時代と(元首相の)戦争終結の決断を経てあることをメッセージとしていただければありがたい」と話す。

 講演会は8月30日午後2時から。当時の状況への理解を深めてもらおうと、午前9時半と午後3時に同じ会場で、元首相も登場する映画「日本のいちばん長い日」(2015年、松竹)の上映会もある。入場券は予約も受け付ける。問い合わせは同会館(04・7124・1555)へ。

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