中国で22日、政府が主導する1万人規模の合同結婚式が開かれた。少子化につながる婚姻数の減少に歯止めをかけるため、結婚の機運を盛り上げる狙いがある。北京をメイン会場に各地をオンラインでつなぎ、計50カ所で同時に開催したという。
- 中国で増える「結婚を選ばない」 価値観は多様化、経済的な不安も
結婚式は、中華全国婦女連合会や民政省などが主催。国営の新華社通信や中央テレビ(CCTV)が詳しく伝えた。「結婚離れ」を食い止めたい政府の思惑が目立つのに対し、SNS上では賛同の声のほか、「まったく意味がない」といった冷めた反応も見られる。
CCTVによると、各地の観光地などで開かれた結婚式には、伝統的な衣装などを身につけた5100組超のカップルが参加した。主催者は「高額な結納金反対」や、簡素な挙式もアピールした。
中国では価値観が多様化するなか、結婚や子育てを避ける若者が珍しくない。景気の低迷も結婚に踏み出すのをためらわせる一因となっている。婚姻数はピークの2013年に1346万組を超えていたが、23年は768万組だった。(北京=金順姫)