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政策研究大学院大学の飯尾潤教授
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 能登半島地震の被災地をどう復興させるのか、石川県が「創造的復興プラン(仮称)」の骨子案を3月末に示した。原形復旧を超える「創造的復興」は、東日本大震災後にも唱えられた。高齢化する過疎地域での復興という難題にあたり、大震災での教訓はどのようにいかせるのか。震災後にできた復興構想会議の検討部会長を務めた飯尾潤・政策研究大学院大教授は、官僚たちの知恵を集め実質的に提言をとりまとめた。能登の再生へのヒントを尋ねた。

「元どおり」より、新たなコミュニティーづくりを

 東日本大震災の復興の経験は、能登半島地震の被災地にとって大きな教訓となります。

 津波で町全体が流されるなどし、防災の観点からも大規模移転が必要とされた集落が多かった東北と、道路の寸断で孤立集落が多く発生した能登とでは、災害の質が異なります。しかし、過疎地域を抱え、超高齢化と人口減少局面での復興のあり方が問われた点で、両者は共通性があります。高齢化の度合いがさらに強い能登の状況は、13年を経た現在の東北の被災地と重なるものがあります。

 重要な教訓は、行政はできな…

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