自民党内で安全保障問題に詳しい「国防族」と呼ばれる議員たちが10月の衆院選で相次いで落選した。自民党国防族は長年、政府・与党の安全保障問題をめぐる政策議論を牽引(けんいん)する役割を担ってきた経緯もあり、政権内では安保問題を専門とする与党側の人材不足を懸念する声が広がる。
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「国防部会の中心にいた議員がみんな落選した。先が思いやられる」。自民党国防族議員の一人はこう語り、危機感を示した。党本部で開かれる自民党国防部会には衆院選前、20人程度が出席することが多かった。しかし、今月13日の部会に参加したのは10人ほど。北朝鮮のミサイル発射や、海上自衛隊の掃海艇が火災で沈没した事故、自衛官の人手不足解消のための処遇改善など重要な安全保障問題が議題になったが、会議室は空席ばかりが目立った。
最大の原因は、多くの中堅・…