国境なき医師団 村田慎二郎・日本事務局長に聞く
国軍と少数民族武装勢力などとの戦闘が続くミャンマーで、衛生環境の悪化や医療不足が深刻化しています。とりわけ、激しい迫害にさらされている少数派イスラム教徒のロヒンギャをめぐる状況は悪化しています。7月に現地を訪れた「国境なき医師団」(MSF)の村田慎二郎・日本事務局長は「ロヒンギャの人々は誰からも守られず、絶望感を深めている」と指摘します。
――ミャンマーでは昨年10月、武装勢力による国軍への大規模攻撃が始まり、断続的に衝突が続いています。7月に訪問した際の様子を教えてください。
戦闘が激しい西部ラカイン州の人々は死と隣り合わせの生活を強いられていますが、とりわけ厳しい環境にいるのがロヒンギャです。もともと市民権がなく迫害されてきましたが、武力衝突が拍車をかけています。
医療施設も焼き打ちに
国境なき医師団は約1300…