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「内閣制度創始百周年記念式典」の会場前に展示された日本国憲法の原典

記者コラム 「多事奏論」 編集委員・高橋純子

 「もしかしておまえ、思想強め?」

 親類の大学生が仲間とスポーツ観戦に出かけ、「国歌斉唱」で起立するのがちょっと遅れたらそう問われたそうだ。私なら♪坊や、いったい何を教わって来(き)たの――と山口百恵の「プレイバックpart2」を速攻熱唱するけれど、そもそも人に「思想弱め?」なんて聞きます? 聞きませんよね。つまり「思想強め」だけが冷笑ワード化しているわけだ。

 本来、思想は浅いか深いか、深いがいいに違いないのに、ちゃかされ忌避されおもちゃにされてるニッポンチャチャチャ わりと地獄でチャッチャッチャ♪

 さて、そんな私の脳内地獄に毎朝一筋の光を注ぎ込んでくれるのが、NHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」だ。主役も脇役もエキストラでさえも、それぞれの人生をちゃんと「生きている」からすごい。生きるとは、考え抜くこと。そう教えられる。これほど行き届いたドラマを書けるなんて、いったいどんな人なのだろう? 思いが募って作者の吉田恵里香さんにインタビューを申し込み、憲法記念日の朝刊に掲載した。

 吉田さんの作品はどれも上質…

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