和歌山のキャラクター紀州犬「きいちゃん」とパンダのぬいぐるみを抱く岸本周平・前和歌山県知事。「私は親中で、親韓で、親インド。親米でもあります。外交はしたたかに進めなくてはならない」と話していた=2024年12月20日、東京都の和歌山県事務所、吉岡桂子撮影

 前和歌山県知事で衆議院議員を5期務めた岸本周平さんが4月15日、敗血性ショックのため、68歳で急逝した。

 とびきりの「コミュニケーション力」で人をつないできた。

 旧大蔵官僚のときは次官候補とも目された。省庁の枠を超えて交わり、消費税などの政策でも立場が異なる人たちの懐に入り込み、対話を成立させた。米プリンストン大学の客員講師だった1990年代半ば、ワシントンの安全保障サークルに顔を出して議論に加わった。政治的には「リベラル保守」を自認していた。

 トヨタ自動車などを経て、保守王国とされた和歌山で野党・民主党から国政をめざす。2009年、和歌山1区で初当選を果たし、「経済界が信頼する唯一の民主党政治家」と称された。

 22年に和歌山県知事に。昨…

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