スタンドから大音量の演奏で仲間を応援する神村学園中等部・高等部吹奏楽部=2025年8月13日、阪神甲子園球場、上田雅文撮影

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 8月13日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)に試合終了のサイレンが鳴り響いた。帽子を取って頭を下げた野球部員たちの姿があった。

 初戦敗退。それでも、野球部は甲子園出場を果たした。次は私たちの番だ――。

 アルプススタンドで精いっぱい応援演奏を繰り広げた神村学園中等部・高等部(鹿児島県いちき串木野市)の吹奏楽部長、3年の柳田美妃(みい)は目を潤ませながら、その光景を記憶に焼きつけた。

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 神村学園の校内では、真夏にも力強い音が響いていた。真剣な表情で練習する部員たちはおそろいのTシャツを着ている。

 背中には「誓覇(せいは)」の文字。造語で「制覇することを誓う」という思いを込め、美妃たちがつけた今年のスローガンだ。

 それは全日本吹奏楽コンクールと全日本マーチングコンテスト、二つの大会での全国大会出場を意味する。

 同部は全国区のテレビ番組の出演や、昨年の全日本マーチングコンテストで金賞を初受賞したことなどで名を上げた。東京など県外からも入部希望者が集まり、今年は100人超の部員の半数以上が寮生活を送っている。

 実は、神村学園は全日本吹奏楽コンクールにも1回出場したことがある。21年前のことだ。ここ数年は九州大会金賞を連続受賞しているものの、強豪校の高い壁にはね返されつづけている。マーチングコンテストと同様に、吹奏楽コンクールでもその大きな壁をうち破るのが悲願だ。

 同校では野球部の甲子園出場以外にも、サッカー部の高校総体優勝など運動部の活躍が光る。

 美妃は高校生活最後の今年、こう決意していた。

 「私たちも運動部のように緻密(ちみつ)な練習を積み重ね、努力を継続して、今年こそ目標を達成したい」

■部員と共有したい「あの感動…

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