兵庫県教育委員会は1月、加古川市平荘町の旧平荘小学校敷地で奈良時代のものとみられる丸瓦や須恵器などを発掘したと発表した。現場近くでは「山角(やまかど)廃寺」と呼ばれる古代寺院が存在するといわれてきており、その存在がより確実になった。
山角廃寺をめぐっては、旧平荘小の校庭に古代のものとみられる塔心礎(塔の真ん中の柱を支える石の土台)が保存されてきたことなどから、近くに古代寺院があったと考えられていた。しかし、出土場所が具体的ではなく、実態はよくわかっていなかった。
今回、旧平荘小跡で特別支援学校を新設する工事を始めるにあたり、県教委が県まちづくり技術センターに発掘調査を委託した。その結果、奈良時代のものとみられるハスの模様の丸瓦や須恵器や土師器(はじき)など100点以上が出土した。
旧平荘小の北東には、中世にできた寺院として知られる報恩寺があり、発掘調査現場からは寺に付属するとみられる施設の遺構も見つかった。中世の瓦や土器を多数含む溝や近世の暗渠(あんきょ)、井戸などで、報恩寺と同じ北から約10度東に傾いた遺構が多いことから、関連施設の跡と考えられるという。