富山大空襲や戦争のひどさを高校生が年下の小学生らにどう伝えるか――。富山県内の高校生平和団体が26日、高岡市内で話し合った。戦時中を再現した食事を子ども食堂で出し、設問を解き進める「謎解き」を使った平和学習を準備する。
高岡南、新湊、富山国際大付属の3高校の1、2年生8人でつくる「輪音(わおん)」。平和や幸せの輪を広げる願いを込めて、名づけた。
メンバーは祖父母よりも年上の空襲体験者や、ウクライナから避難してきた人たちと交流するなど、戦争の実相に触れようとしている。
計画では、戦時中の食事を再現した大豆飯、サツマイモ、田作りなどを7月に高岡市内の子ども食堂で提供する。8月には学童保育の低学年の子らに平和講座をする。
冬には謎解きゲームで空襲や戦争、平和を学ぶイベントをする。
代表の高岡南高2年、薬師子龍(しりゅう)さん(17)は「食事や謎解きを入り口に、小さな子もわかりやすく平和を考えられるようにしたい」と狙いを話す。メンバーから「小学生にわからないことがあっても、疑問として後に調べてもらえれば」「自分の高校でも紹介したい」などの意見が出た。
富山大空襲は1945年8月2日未明。米軍のB29爆撃機が焼夷(しょうい)弾を富山市街に大量投下。推定3千人が亡くなった。
輪音は10歳で空襲に遭った富山市の佐藤進さん(89)らの話を聞き、その声を後世に残すには「いま動くしかない」と2月に活動を始めた。
プログラミングを広げる学生団体WeCode代表で通信制のN高校2年、油谷駿杜(しゅんと)さん(16)=高岡市=も、この日の議論に加わった。(小西良昭)