高校生が生け花の腕前を競う「Ikenobo花の甲子園2024」(池坊華道会主催、朝日新聞京都総局など後援)が17日に京都市であり、県立岐阜商業高が連覇を果たした。16回目の大会で通算3度目の高校華道日本一となった。
全国136チームの頂点に立ったのは茶華道部2年の後藤瑞歩さん、木方優理奈さん、大西明美加さんのチーム「花ふふむ」。9月に名古屋市であった東海大会で優勝し、全国大会に臨んだ。
地区大会を制した13チームが出場。作品テーマ「青春」に基づき、主催者指定の15種類の花材から作品をつくる。3人1組で、1人10分ずつ制作し、花ばさみをバトンのようにリレーして30分の制限時間内で仕上げるルールだ。
全チーム一斉に生け込みをスタート。県岐阜商はサンゴミズキやトルコキキョウ、シマハラン、モミジなどを使い、枝の曲線や向きに気を配りつつ、丁寧につくり上げた。
完成後には、作品の意図や思いを審査員たちに伝えるプレゼンテーションがあった。
県岐阜商は、伸びやかに見えるよう斜めに生けたサンゴミズキをメインに、前後に配置したトルコキキョウを自分たちに見立て「今にも飛び出しそうな躍動感」を演出したことなどを説明した。
「理想は夢いっぱいの青春ですが、現実にはまだ将来のビジョンがなく不安でいっぱい。だからこそ仲間と語り合った教室、部活帰りに見た夕日。その一瞬を忘れません。このお花のように未来へ突き進みます」と締めくくり、会場を沸かせた。
次期家元の池坊専好氏ら10人の審査員が作品やプレゼンを採点。総得点は742点で、2位の横手城南(秋田)に66点差をつけての優勝だった。
結果を知った瞬間を「色んな人に『優勝する』と大見えを切っていたので、本当に優勝できて良かった」(後藤さん)、「全力を出し切ったのでどんな結果になっても良いと思いましたが、めちゃくちゃ笑顔になりました」(木方さん)、「頑張ってきた成果が出せての優勝なので、自然と涙が出ました」(大西さん)と振り返った。
同校3度の優勝をいずれも指導した顧問の小川聡子教諭は「後藤さんは緻密(ちみつ)、木方さんはダイナミック、大西さんはオールマイティー」と評し、「派手さはないがよくまとまり、今までで一番素直なチーム。毎日一緒にいて、自分もものすごく楽しくできました」と振り返った。(高原敦)