三重県鈴鹿市による生活保護の支給停止処分などが違法だとして、同市の女性(73)が、市にその取り消しなどを求めた裁判。名古屋高裁(吉田彩裁判長)は26日、一審・津地裁判決と同様に処分の違法性を認め、取り消しを命じた。判決後、名古屋市内で記者会見を開いた女性は、「(裁判に)長い時間がかかったが、希望を持って進みたい」と前を向いた。
訴状などによると、女性は自動車の保有を認められなかったうえ、車の処分を前提とした見積書が提出されなかったことを理由に、鈴鹿市が生活保護の支給が停止したのは違法だと訴えていた。
150メートル先のスーパーも遠い道のり
女性は身体に障害があり、満足に歩けない。自宅に来客があっても、居室から玄関まで数分かかる。「足が悪いので 出るのが遅くて ゴメンナサイね!」。自宅のドアにはそう書かれた紙が貼られている。通院や買い物は、車が頼みだという。
女性は20代のころ、三重県…