Smiley face
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歩行器を使いながら、ゆっくりと歩く女性=2025年6月19日午後2時38分、三重県鈴鹿市、石垣明真撮影

 三重県鈴鹿市による生活保護の支給停止処分などが違法だとして、同市の女性(73)が、市にその取り消しなどを求めた裁判。名古屋高裁(吉田彩裁判長)は26日、一審・津地裁判決と同様に処分の違法性を認め、取り消しを命じた。判決後、名古屋市内で記者会見を開いた女性は、「(裁判に)長い時間がかかったが、希望を持って進みたい」と前を向いた。

 訴状などによると、女性は自動車の保有を認められなかったうえ、車の処分を前提とした見積書が提出されなかったことを理由に、鈴鹿市が生活保護の支給が停止したのは違法だと訴えていた。

150メートル先のスーパーも遠い道のり

 女性は身体に障害があり、満足に歩けない。自宅に来客があっても、居室から玄関まで数分かかる。「足が悪いので 出るのが遅くて ゴメンナサイね!」。自宅のドアにはそう書かれた紙が貼られている。通院や買い物は、車が頼みだという。

 女性は20代のころ、三重県…

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