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ウクライナ南部ヘルソンで2022年11月15日、支援物資を荷下ろしする米NGO「ワールド・セントラル・キッチン」(WCK)創設者のホセ・アンドレス氏=AP
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 パレスチナ自治区ガザで米NGO「ワールド・セントラル・キッチン」(WCK)の職員がイスラエル軍の空爆で死亡した問題をめぐり、人道支援関係者らの安全に対する懸念が高まっている。現場での食料配布を担う民間団体や国連が活動の中断などに追い込まれ、ガザの食料不足がさらに深刻化する恐れがある。

 WCKの3日の発表によると、イスラエル軍の1日夜の空爆で亡くなったのは20~50代の職員7人で、英国人3人のほか、パレスチナ人とオーストラリア人、ポーランド人、米国とカナダの二重国籍が各1人。WCKのゴア最高経営責任者(CEO)は声明で「彼らの笑顔や声は私たちの記憶に永遠に刻まれている」と惜しんだ。

 イスラエル軍トップのハレビ参謀総長は2日夜のビデオ演説で、空爆の原因について「攻撃は夜間の誤認」と釈明した。これに対して、WCK創設者で有名シェフのホセ・アンドレス氏は3日、ロイター通信に、イスラエル軍は事前の調整にもかかわらずWCKの3台の車を「1台ずつ組織的に攻撃した」と説明。「爆弾をうっかり間違った場所に落としたという不運な状況ではなかった」と非難した。

WCKへの攻撃は「システム全体への脅威」

 空爆による職員の死亡を受け、WCKは当面の活動停止を発表。連携していた別の米NGO「Anera」も活動を中断した。WCKはガザ地区内68カ所に調理施設を持っており、両団体で1日平均15万食をガザ市民に届けていたという。

 WCKは海路でガザに届く食…

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