結婚しても夫婦がそれぞれの姓を維持できる「選択的夫婦別姓制度」の導入を求めて国と争っている裁判の弁護団が、制度を待ち望む人たちの声1万人分を募集している。
多くの当事者の体験や思いを届けるため、陳述書として裁判所に提出するという。
選択的夫婦別姓訴訟は2015年と21年の2度、最高裁大法廷の判断が出ている。いずれも夫婦は同姓になることを定めた現在の民法規定を「合憲」と判断した。第3次訴訟は24年3月に事実婚夫婦ら6組が提起し、東京地裁と札幌地裁で審理が進んでいる。
今回の募集は題して、「あなたの陳述書 裁判所に届け! 動かせ! 目指せ一万通大作戦!」。今年2月下旬から、支援団体の「別姓訴訟を支える会」のウェブサイトで呼びかけ、200通近くが集まったが、1万通にはまだ遠い。
寄せられた声の中には、「制度を待っている間に出産のタイミングを逃してしまった」「女だからという理由で望まない改姓をして摂食障害になったという友人がいる」「旧姓に戻すためにペーパー離婚をしたら、夫が家を出て行ってしまった」などの悲痛な体験も目立つという。
自分が改姓したという30代…