《ゆうべは涙が止まらなくなった。もう感情が限界にきてたのだなあ》
《今日も窓口で「お前の名前は? 下の名前は? どうして言えないんだ!」などと怒鳴られる》
《こっちは普通のことをしてるだけなのに。もう耐えられない》
町田市民病院(東京都)で働く男性職員は帰宅すると時折、ソファに腰かけてノートを開き、仕事で直面したつらい出来事や素直な感情をつづる。
「自分のメンタル」を少しでも、守るためだ。
こうした「日誌」をつけ始めたのは、7年前。医療費の滞納を続ける患者に対し、支払いを求める業務についてからだった。
1日に約1千人の外来患者が訪れる町田市民病院では、患者が支払わない医療費がふくらみ、どう回収するかが課題となっていた。未収金額は2018年4月時点で約3千万円にのぼり、放置すれば経営を圧迫するおそれがあった。
そこで男性は、未収金額の削減を進めるため、数人の職員とともにその最前線に立つことになった。
怒鳴られることは日常茶飯事「夜道を歩くのも怖い」
未払いの患者の中には、無保…