米国の政策について、「気になるのは関税より金利」と話すのは、伊勢湾海運(名古屋市)の高見昌伸社長。2026年3月期の売上高は前年比1.3%減の550億円、営業利益は6.3%減の29億円を見込む。上半期(4~9月)が前年比0.8%と微増なのに、下半期で逆転してしまう。
同社は外航海運事業が主力で、約3割が米国向け。その多くが工作機械だ。高見社長は「関税の影響はみていないが、客の話を聞いて予測した」という。上半期は、高い関税が発動される前の駆け込み分もあるかもしれないという。
状況を打開するため、利下げに期待している。「機械が欲しい人が、金利が高くて設備投資できないという状況がある」(高見社長)ためだ。
関税政策を掲げるトランプ米大統領は、金融当局に対しては利下げを迫る発言を繰り返している。高見社長は、「うちの強みの点だけならそれでいいが、全体のことを考えるとなんとも言えない」。
工作機械メーカーは
すでに利下げの吉兆が見えている工作機械メーカーもある。オークマ(愛知県大口町)の家城淳社長は「米国の中小企業でもじわじわ投資を始めているところが出てきた」と話す。
関税については「設備のコストが上がり、水を差すか」と気をもむ一方、大手では航空宇宙分野やデータセンター向けの需要が旺盛で、「製造業の需要が回復する起爆剤になる可能性もみている」と楽観する。26年3月期は売上高が前年比11.2%増の2300億円、営業利益は50.2%増の220億円を見込んでいる。