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中国が描く「大国外交」 デザイン・近藤祐
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 中国の外交トップを務める王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相は7日、内外メディア向けの記者会見を開き、「関税戦争」を抱えるトランプ米政権を強く牽制(けんせい)する一方、その他の地域との連携や歩み寄りを演出した。

 中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)の恒例行事だった首相会見が昨年からなくなり、中国の対外姿勢の全体像を説明する外相会見は海外メディアにとって最重要イベントのひとつになっている。会場では500人以上の記者が耳を傾けた。

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 王氏は第1次トランプ政権以降の対立を念頭に、「関税戦争で何を得たのか、見直すべきだ」と言及。「貿易赤字は縮んだのか。製造業の競争力は上がったのか」とたたみかけた。保護主義的な政策の再考を迫り、米中の経済関係は「対等だ」と対話も求めた。中国は4日、米側による第2弾の対中関税上乗せに対する報復措置を発表したばかりだ。

 また、「自国優先」は「弱肉強食に逆戻りする」と断じ、中国は「常に国際正義の側に立ってきた」と豪語した。トランプ政権の外交姿勢との違いを際立たせ、グローバルサウス(新興・途上国)などの取り込みを図る狙いとみられる。

 米軍がフィリピンなどアジア太平洋地域に中距離ミサイルを配備することについては「断固反対」を表明。「米国はこの地域の国々で問題をあおり、対立を生み出す以外には何もしていない」と批判した。

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 一方、日中関係の現状は「改…

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