和歌山県警白浜署から感謝状を贈られた白浜第一交通の乗務員・水本和宏さん=2024年10月22日、和歌山県白浜町、勝部真一撮影 景色も見ないで運転席の真後ろにわざわざ座り直した女性。 「顔を見られたくないのだろうか」 ベテランのタクシー運転手ならではの直感が、命を絶とうとしていた女性の保護につながった。 白浜第一交通の乗務員・水本和宏さん(70)さんが30代半ばの女性をJR白浜駅前で乗せたのは2日午後1時40分だった。 高さ50~60メートルに及ぶ切り立った断崖がある「三段壁」を目的地に告げた女性の持ち物はショルダーバッグだけ。 旅行者にしては軽装だ…