AKB48の花田藍衣さん(20)には、本気で和食の料理人を目指した時期があった。アイドルの夢をかなえた今も、「魚をさばく」という特技がアピールポイントだ。どのようにして技術を身につけたのか。アイドル活動にどう生かし、何を目指すのか。8月15日は「刺し身の日」――。
- 【前編はこちら】あの大ヒット曲が人生を変えた 「魚をさばく」異色アイドルが躍進中
花田藍衣、魚をさばきます《後編》
昨年3月のコンサートで新メンバーとしてお披露目されると、「めいめい」のニックネームで親しまれ人気者に。わずか1年半足らずでシングル2作連続選抜入りを果たした。
そんな未来のエース候補が手にするのは、マイクではなく2本の包丁。「短い方は魚全体を切るときに使い、長い方は刺し身用です」。いずれも魚をさばくために購入した愛用品だ。
きっかけは、高校生時代に経験した居酒屋のアルバイトだった。キッチンで調理を担当。最初はネギなどの野菜を切るだけだったが、料理長が魚を華麗にさばく姿にあこがれた。
「私も魚をさばきたいです。お願いします」と料理長に“弟子入り”を志願。夏休みに集中してシフトに入り、練習を重ねた。「見よう見まねでしたが、特に力の入れ方を教えてもらいました」
みるみるうちに上達し、タイ、カレイ、エビ、サザエなど10種類以上の魚介類を調理できるようになった。なかでも得意なのはヒラメだ。刺し身だけではなく、ネギを混ぜる料理も。「おすしも握れます」
夢中になり、和食の料理人を本気で目指そうと考えた。高校卒業後の進路に、料理の専門学校を志望するほどだった。
魚をさばく魅力とは?
「命に感謝しながらさばくことは、勇気と覚悟が必要なんです。それでも自分の包丁でさばき、それを誰かがおいしそうに食べている姿を見ることがうれしいです」
今年2月のコンサートでは、ステージで魚をさばく実演も披露。異色のアイドルとしてアピールを続ける。「魚をさばくには繊細な技術が必要。それができるということを生かして、ビッグになりたいです」
エースの背中見て決意
料理の腕とともに、アイドルとしてステージで輝くため、パフォーマンスも磨き続ける。
昨年12月には20期生という後輩たちが入り、21期生オーディションも開催中だ。シングルのカップリング曲でセンターを経験し、「先輩として後輩を引っ張っていきたいという気持ちも出てきた」という。
今月13日に発売されたグループ結成20周年記念シングル「Oh my pumpkin!」のセンター小栗有以さんは、アイドルを志すきっかけとなったあこがれの存在だ。その背中を見て、決意は固まった。
「私もいつか、AKB48のセンターになりたい」
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◆花田藍衣(はなだ・めい) 2005年6月5日生まれ、神奈川県出身。24年3月、AKB48の19期生としてお披露目された。今年4月にリリースされたグループ65作目シングル「まさかのConfession」で初選抜。7月からはラジオ番組「AKB48伊藤百花と花田藍衣のひと“花”咲かせたいっ!」のMCを務める。
◆AKB48 20周年イヤー特設サイト https://www.akb48.co.jp/lp/akb48_20thyear/
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