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首相官邸に入る石破茂首相=2025年5月1日午前10時46分、岩下毅撮影

 夏の東京都議選や参院選を前に、立候補予定者がもう一人と並ぶ「2連ポスター」の掲示が進んでいる。自民党では「選挙の顔」となる首相とのツーショットが主流だが、内閣支持率が低迷するなかで石破茂首相を選ばない動きも見られる。

 都内に貼られた2連ポスターには、都議選の立候補予定者と高市早苗・前経済安全保障相が並ぶパターンが複数あった。関係者によると、高市氏側には2連ポスターでの写真使用依頼が10件以上寄せられているという。高市氏は昨年の党総裁選で惜敗したが、党員・党友の「地方票」は石破氏を1票上回り1位だった。

 公職選挙法では、任期満了の半年前から立候補予定者単独のポスターの掲示を禁止している。一方で、政治活動用として「別の人物」「政党に関する表記」を同じ割合で載せれば掲示できる。

 今夏の参院選に立候補する予定の現職中堅は、ツーショットの相手に地元の衆院議員を選んだ。「内閣に勢いがある時はいいが、今、石破首相を選ぶ人はいないだろう」と漏らす。地元の知事や県議を選んだ参院議員もいる。

 過去にも内閣支持率が低迷すると、同様の動きが見られた。自民が下野した2009年衆院選の前は麻生太郎首相(当時)を、21年もコロナ対応が批判された菅義偉首相(同)を選ばない立候補予定者がいた。

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