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ヒーローインタビューでプロ初白星のウィニングボールを手にする阪神の先発伊原陵人(左)と佐藤輝明=米田怜央撮影
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 (20日、プロ野球 阪神タイガース8―1広島東洋カープ)

 ピンチでも物おじしない。むしろそんな時こそ堂々と。「あまり慌てずに、ゆっくりしっかり、1球1球後悔しないように投げました」。阪神のドラフト1位新人、伊原陵人(たかと)はプロ初先発で、らしさを発揮した。

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 まずは三回1死一、三塁の場面。1番・二俣翔一に9球粘られたが、最後はスライダーを外のボールゾーンから大きく曲げて空振り三振に。

 四回2死一、二塁で迎えたベテラン菊池涼介への決め球は内角直球。捕手の構えたミットはピクリとも動かず、見逃し三振にした。「だいぶ集中して投げた。あそこで(内角に)いけたのが大きかった。自然とガッツポーズが出た」。5回を被安打4、無失点。12球団の新人一番乗りでプロ初勝利をつかんだ。

 奈良県出身で智弁学園高、大商大、NTT西日本を経てドラフト1位で入団した24歳。身長170センチと決して大きくはないが、投球テンポと球持ちの良さが特徴の左腕だ。

 中継ぎとして開幕1軍をつかみ、セ・リーグ5球団に投げた。計6試合(8回3分の1)を投げて無失点。藤川球児監督は「あの役割では足りない。5回以上投げる光景の想像がつく」と先発転向を決め、この日を迎えた。

 強気な性格は、背番号からもうかがえる。球団から複数提示された際に「僕はこの番号がいいです」と自ら「18」を選んだ。エースナンバーだが「どちらかというと右投手が多いかなって(印象)」。新たな左腕エース像を打ち立てたいという。

 「こちらの期待を上回るパフォーマンスを見せてくれた。背番号くらい勝てるような投手になってもらいたい」と藤川監督もご満悦。本人は「とにかく負けない投手になりたい」。大きな目標への、上々のスタートだ。

佐藤輝が2発で援護

 阪神の4番・佐藤輝が4安打6打点の大暴れだ。一回に高めの直球を2ランにすると、三回は適時二塁打、五回は3ランを放った。2発はいずれもバックスクリーン左への当たりで「そっち(逆方向)にも打てるよう、オフからやってきた。手応えはあったけど、ギリギリで入ってよかった」。プロ初先発だったドラフト1位新人・伊原を援護した。

 藤川監督(神) 佐藤輝の2本塁打を含む12安打の打線に「ファンが喜ぶような一日になった」。

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